中東の緊張緩和の中、金は週ごとに下落

先週、核兵器保有国ロシア国内でのウクライナ攻撃のニュースが安全資産への逃避を促し、金はほぼ2年ぶりの高値を付けた。今週は、米国の主要市場が感謝祭の祝日のため木曜日に休場となったため、取引日が短縮された。

金曜日のダウ工業株30種平均の過去最高値に続き、株式市場は短縮された取引週を好調なスタートを切った。トランプ次期大統領が元ヘッジファンドマネージャーのスコット・ベッセント氏を新財務長官に任命したとの報道を受け、株式市場の上昇は月曜日も続いた。市場はこの任命を歓迎し、ダウは月曜日にさらに1%上昇して最高値を更新し、S&P500は6日連続で上昇した。

一方、イスラエルとヒズボラの停戦の可能性のニュースが安全資産としての金需要を弱めたため、金は月曜日に1.5%下落した。その結果、金は1オンスあたり2,622ドル付近で取引を終え、銀は1%下落して30.28ドルで取引を終えた。

火曜日、投資家は11月のFRB会合の議事録を消化した。議事録では、FRB当局者は利下げ継続でほぼ合意しているが、緩和は「緩やかな」ペースで行われると明らかにされた。FOMCの最新情報はウォール街で好意的に受け止められ、ダウとS&P 500はともに新記録を更新した。他の市場では、トランプ次期大統領が中国、メキシコ、カナダに対する貿易関税を宣言する可能性があるとのニュースを受けて、金は2週間ぶりの安値から反発した。

水曜日、ドル指数が1%以上下落したため、金は再び小幅上昇し、外貨保有者にとって金の魅力が高まった。同日、米経済分析局（BEA）は、個人消費支出価格指数で測定されるインフレ率が、前月の2.1％から10月に年率2.3％に急上昇したと報告した。インフレ面での進展が停滞しているという懸念が投資家心理を悪化させ、水曜日の株価は下落した。

株式市場は今朝、水曜日の下落をものともせず、ダウとS&P500はともに最高値を更新し、株価の好調な月を締めくくった。ダウ工業株30種平均は週次2.4％の上昇でトップに立ち、S&P500とナスダック総合指数はそれぞれ週次1.5％と1.3％の上昇で週を終えた。

ドルの下落が続き、地政学的緊張が続く中、金は今日も小幅上昇した。それでも、黄金は週末に0.5%下落して2,650ドルで終了し、銀は週ベースで横ばいの30.62ドルとなった。